新元号は『令和』に決定!改元に伴う情報システム対応のポイント

新元号が『令和』に決定され、改元に向けた動きも本格化してきました。
2019年5月1日の改元まで、ほぼ1カ月。 システム周りも、元号改定に伴う対応が必要です。

経済産業省が行ったアンケートによると、1割弱にあたる企業が「改元までに対応できない情報システムがある」ということが分かりました。
対応が完了しなければ、業務に支障をきたすことがあります。

平成の改元を経験した企業は、既に西暦変換処理を組み込んでいるから、など楽観していませんか?
今回は、改元に伴うシステム対応のポイントをお話しします。

「昭和から平成の改元時に対策済み」に経済産業省が警鐘

2019年5月の改元を前に、経済産業省は企業の情報システムでの改元への対応について警鐘を鳴らした。昭和から平成への改元時と現在ではシステム構成が大きく異なるため、30年前とは別の対応が求められる、とのことです。

30年前と比べて、 企業を取り巻くシステム環境は大きく変化しました。
Webシステムの普及により、SaaS(Software as a Service)のビジネス活用が
が主流となりました。システム間の連携も広範囲化し、データの流れも複雑です。

今回の改元対応は、データベースの元号カラムへの項目追加や帳票周りの確認だけで十分と考えるのは危険かもしれません。

改元に伴う情報システム改修への対応

前回の元号改定を経験していない企業では、具体的な対応を考えるのはIT部門がなければ、想定と対策が難しいでしょう。

経済産業省は「改元に伴う情報システム改修等への対応について」という周知文書を発信しました。この文書には、情報システムの新元号対応に必要な基礎事項が記載されています。

そのポイントをまとめたものが以下になります。

■ 情報システム改修等の対応

(1)元号をデータとして保有している場合、元号データの変更や追加または西暦データへの統一化
(2)書面やシステム上に元号や「元年」を印字・表示している場合、印字・表示内容の変更
(3)西暦と和暦との変換処理を行っている場合、変換ロジックの変更または変換テーブルへの登録
(4)他の事業者や関係機関のシステムと情報連携している場合、当事者間での対応策の必要性確認
(5)その他、必要な対応

■ 事務・運用面の対応

(1)元号の記載が含まれる証書・帳票等の記載の変更
(2)旧元号が記載された状態で利用が想定される契約書等の証書や帳票等の取扱の明確化
(3)運転免許証等の官公署発行の証明書等に旧元号が残る場合でも、有効な証明書等として受け付ける措置
(4)顧客に影響が生じうる事項への対応策等に関する顧客への十分な周知
(5)その他、必要な対応

出典:「改元に伴う情報システム改修等への対応について」(経済産業省)

新元号対応が間に合わないことも想定しており、優先順位を付けた対応が必要とも明記してあります。その場合、旧元号と新元号が混在することを想定した運用が必要になるでしょう。

情報システムのリスク管理はできていますか?

企業の大切な資産である情報システムは、適切なリスク管理をされていますか?

情報の損失は、事業継続の危機となりえます。
企業が持つ膨大なデータは情報資産です。その資産を保護することは、事業を存続させるためにもっとも重要な対策となるのではないでしょうか。

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