システムの速度改善はUXの向上に大きくかかわり、ビジネスの成功に必要不可欠な要素の一つといっても過言ではありません。本コラムでは、システムの速度改善についての重要性と影響を受ける要因、改善方法についてご紹介します。
システムの速度は、ユーザーがシステムを使用する際の体験、いわゆるUXに直結します。遅いシステムはユーザーのストレスを引き起こし、顧客離れにつながる可能性があるため十分に注意しなくてはなりません。訪れたサイトのページが真っ白のまま動かず、仕方なく別のサイトに訪問した経験はないでしょうか?
また、遅いシステムは企業の利益にも悪影響を与える可能性があります。例えば、オンラインショップの場合、処理速度が遅ければユーザーが購入を諦める原因になり、結果収益に悪影響を与えかねません。
このように、ユーザーがより快適に利用し企業が利益を上げるために速度改善が重要といえるでしょう。
そもそもシステムが遅くなる原因とは何なのでしょうか。
システムの速度は、サーバーの性能に大きく影響を受けます。サーバーの比較検討を行い、できるだけ高速化が実現できるサーバーを選択しましょう。
表示速度の速いサーバーの特徴としては、
①CPU/メモリ性能が高い
②SSDを採用している
③WebサーバーにLiteSpeedを搭載している
の3点が挙げられます。
SSDとはファイルのデータを保存し、記憶するための装置です。従来はHHDと呼ばれる装置が主流でしたが、現在は表示速度の観点からSSDが主流となっています。SSD搭載サーバーはHHD搭載サーバーより約3倍の表示速度があるため高速化の実現が可能です。比較検討の際は上記3点も併せてご確認ください。
データベースを最適化することも速度改善に有効です。データベースのクエリを最適化することやインデックスの設定などを行うことで、システムの応答時間を短縮することができます。
コードの最適化はシステムの速度に直接影響を与えます。最適化するには冗長な処理を削除し高速なアルゴリズム(データを処理する手順)を使用するようにします。
システムの速度改善には、以下の5点が挙げられます。
1.サーバーのアップグレード・乗り換え
サーバーをアップグレードすることで高速化が図れます。しかし、アップグレードをすれば当然費用はかかります。現時点で使用しているサーバーと同等の費用で高速化を実現したい場合は他のサーバーへの乗り換えも検討しましょう。
2.キャッシュの最適化
キャッシュはシステムの応答時間を短縮するための重要な要素です。頻繁に使用されるデータを一時的に保存することで、データの取得時間を短縮できるメリットがありますが、たまりすぎると低速化の原因になります。キャッシュサイズの調整やキャッシュの有効期限を設定するなどの対応が必要でしょう。
3.データベースの最適化
原因でも触れましたが、データベースを最適化することで高速化を図れます。例えばSQLのクエリの最適化を考えると、必要のないテーブルを結合していないか、必要なカラムのみ取得しているか等の確認が必要です。不具合の修正や追加開発で結合されていたテーブルが必要なくなっていることが多々あります。不必要なものは削除しましょう。
4.コードの最適化
いかに実行時間が短いコードを書けるかがポイントとなります。アルゴリズムを変更したり、命令数を減らす方法が挙げられます。
5.リソースの最適化
画像、動画、JavaScript、CSSなどのリソースを最適化することも一つの方法といえます。例えば、画像は圧縮しサイズを小さくしたり、動画であれば動画配信用のタグを埋め込みWebサーバーに動画ファイルを置かないといった方法が考えられます。また、JavaScriptやCSSはファイル数が増えすぎると速度に悪影響を及ぼすため、無駄なファイルや記述は削除するべきです。
速度の遅いシステムは、ユーザーにストレスを与えるだけでなく効率性や生産性を大きく損なう可能性があります。特に仕事を行う上で欠かせない業務システムであれば使い勝手や効率性は重視したいところではないでしょうか?
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