より良いユーザー体験を!UXデザインの5段階モデルとは?

UIUXという言葉はサービスやプロダクト開発でよく使われ、最近ではすっかり馴染みのデザイン用語になりつつあるでしょう。しかしながら、UIであればユーザーが実際に触れる部分であるため視覚的に理解しやすい反面、UXは実際に目で見て触れるものではないため理解が難しいです。中にはUIと同じ意味で捉えていたり、実際にUXデザインをするとなった場合に迷う方も知ると思います。
今回はUXデザインの5段階モデルを通して、UXについて理解していきましょう。

UXデザインの5段階モデルとは?

UXの5段階モデルはJames Garrett(ジェームス・ギャレット)氏が提唱したUXの考え方です。UXの5段階モデルでは、それぞれコンセプト定義から制作完了までの時間軸に沿って設計されており、それぞれの段階が密接に関連することを表します。見た目の良さだけに注力すれば見た目は勿論よくなりますが、商品やサービスの全体を見たときに、より一貫性のあるUXを作るのであれば目に見える部分だけでなくさらに深い部分も考えなければなりません。このように、UXデザインのプロセス全体をカバーし、UXの向上につながる設計を実現するための枠組みとしてUXデザインの5段階モデルが用いられます。

それぞれの5段階について説明していきます。

第1層:戦略(Strategy)

よりよいUXを作るための最初の段階は「戦略」です。この部分では、製品の目的や目標を設定し、ユーザーのニーズや要件を把握することが重要です。また、競合他社の製品を分析することで、自社の製品に独自性を持たせることができます。
成果物の例…RFP、KPI

第2層:要件(Scope)

この段階ではユーザーの目的を果たすために必要となる要件を定義します。より良いUXを提供するために、プロダクトに必要なコンテンツや機能を、ユーザー体験をイメージしながらリストアップしていきましょう。
成果物の例…要件定義書、仕様書

第3層:構造(Structure)

構造の段階では、「どのように価値を提供していくか」をユーザーの行動原理を考えながら進めていきます。ここでは要件定義で定めたコンテンツや機能を整理し、ユーザーに分かりやすく届けるための全体構造を設計します。プロダクトのどこにどのようなコンテンツや機能を配置して、それらがどのように関連付けられるのかを決めていきましょう。
成果物の例…サイトマップ、ページリスト

第4層:骨格(Skeleton)

この段階では、ユーザーとの接点となるインターフェースにおける設計を行います。レイアウトやインタラクションについてワイヤーフレームなどを用いて定義するフェーズです。ここで初めてワイヤーフレームによって見た目がわかるようになり、最終成果物の骨組みとなります。
成果物の例…ワイヤーフレーム

第5層:表層(Surface)

最終層である表層の段階では実際にユーザーが触れるサービスのデザインをしていきます。ここでは分かりやすさや操作性、直感性について検討する必要があります。第4層のワイヤーフレームをもとに統一感のあるサービス・ブランドとして、カラー・フォント・画像などをデザインしていきましょう。
成果物の例…デザインカンプ

UXデザインの5段階モデルを使用するメリット

上記でご紹介した5つの段階を経ることでどのようなメリットがあるのでしょうか?

1.UXの向上につながる

もちろんUXの向上につなげることができます。表層部分にだけ注目するのでなくユーザーのニーズや要件を十分に把握することからはじめ、そこで得た情報を、順を追って設計プロセスに反映することでユーザーの満足度をより高いものにすることができるでしょう。

2.UXデザインプロセスを体系化できる

このモデルは、UXデザインプロセスを5つの段階に分割し、各段階での目的やタスクを明確にすることで、UXデザインプロセスを体系化することができます。体系化することで、デザイナーやエンジニアのみならずユーザー側もプロセスを追跡しやすくなり、作業効率の向上が望めます。

3.設計プロセスの進捗状況を可視化できる

UXデザインプロセスを段階的に分割することで、各段階での進捗状況を可視化することが可能です。そのため、どの段階で何をすべきかが明確になり、設計プロセスの管理や進捗管理が容易になります。

4.デザインアイデアの検証に適している

ワイヤーフレームやプロトタイプなどを用いてデザインアイデアを検証できます。そのため、早い段階でのアイデア検証を容易にすることができ、開発リソースの節約につながるといったメリットがあります。

これらのメリットによって、UXデザインのプロセスをより効率的に実施し、UXの向上につながるデザインを実現することができます。

使い心地とより良い体験にこだわった業務システム

今回ご紹介したUXの5段階モデルにもあったように、「戦略」や「要件」の段階、つまりユーザーの目的要件をしっかりと明確にしておくことで、見た目だけのデザインではなく、より良い体験の提供を可能とするデザインになります。

エイ・エヌ・エスではUIUXの観点から人間中心設計にて、わかりやすく操作性の良い業務システムを構築しています。システムやデザインのお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。

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