イノベーションデザインラボのコラムではUI/UXについて何度かお伝えしてきました。UI/UXは“使いやすさ”を考えるうえで非常に大切な概念の一つと言えます。今回は、改めてUIとUXの違いや関係性、そしてUXの捉え方についてお伝えします。
まず、UIとUXを簡単に説明すると、UI(User Interface)はWEBサイトのデザインやフォント、パソコン自体の外観など、ユーザーの視覚に触れるすべての情報を指します。つまり人とモノの接点はすべてUIということになります。対してUX(User Experience)はユーザーが製品やサービスを通して得られる体験や経験を指します。つまり「使い勝手がいい」「印象的な見た目」など、サービスを利用する中でユーザーが感じたことはすべてUXになります。
両者は異なる意味を持っているにもかかわらず、なぜセットにされることが多いのでしょうか?それは、UXを向上させるためにはUIへの配慮が必要不可欠だからです。つまり、UIはUXを高めるための重要な一つの要素といえます。
UXはUIに比べて少し曖昧な気がしませんか?製品やサービスを通して得られる体験と言われると、どこからどこまでをUXに入れていいのか悩むと思います。実際、UXには主に二つの捉え方があり、これらを知っておくだけでもUXについて議論する際に役立ちます。
1.複数の接点を含む一連の体験をひとつのUXと考える
商品を購入するとき、「調べる」→「購入」→「疑問があり問い合わせる」という行為があるとしたら、これらの一連の体験をUXと捉えます。目にした広告・サイトの操作性・コールセンターの対応の良し悪しなども含みます。
2.ひとつのUIに直接関連する体験をUXと考える
上記の商品を購入する例であれば購入するという一つの行為に直接関連するものだけをひとつのUXと捉えます。この場合であれば、目にした広告やコールセンターの対応は「購入する」という行為に対するUXには含まれません。これらはまた別のUXと捉えます。
開発者側はどうしても斬新な機能やデザインを求めたがってしまいます。例えばHPのデザインを少し斬新なものにして、ユーザーをひきつけたい!といった場合もあるので、基本から外れたデザインをすることも必要なことです。しかし、もし業務管理システムであったらどうでしょうか?おそらくユーザーは斬新なものよりも慣れ親しんだシンプルなデザイン、かつ操作性の良いものを求めるでしょう。
UX向上について考えるときには、デザインの対象は何なのか、ユーザーは何を目的にしているのかをしっかり考える必要があります。
エイ・エヌ・エスではUI/UXの観点から使いやすさに特化した業務システムの構築を行っています。業務システムにおいて、操作性の良さや見た目の分かりやすさは生産性を上げる一つのカギでもあります。ぜひお気軽にご相談ください。