2021年9月1日にデジタル庁が発足しました。デジタル庁とはどのような組織で、どのような目標を掲げているのか。また、デジタル庁の新設によってどのようなメリットが期待できるのでしょうか?
デジタル庁新設のきっかけとなったことの一つに「新型コロナウイルスに関する対応の遅れ」があります。保健所や医療機関からの陽性者の報告が当初、ファックス等のアナログ的手段で集計されていたことで、データをリアルタイムで共有することができず、活用することができませんでした。これにより、日本のデジタル化の遅れが顕著となり、データをうまく活用することへの必要性が高まりました。
2001年に制定されたIT基本法に代わるデジタル社会形成基本法の内容を実現すべく、取り組みを進めるデジタル庁。デジタル社会形成基本法は “デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~”というビジョンを掲げます。この法律で新たに加えられた、最も注目すべきポイントは、ただデジタル化を推進するだけでなく「皆が平等に利用できる」といった部分なのです。
デジタル社会の形成に向け、具体的にどのような取り組みを行うのでしょうか?
①徹底したUI・UXの改善と国民向けサービスの実現
国民目線での徹底したUI・UXを実現し、国民の誰にとっても、そのユーザーとしての体験価値を最大化する国民向けのサービスを実現するための取り組みを進めます。提供者目線のシステム整備ではなく、ユーザーの声を聴き、ユーザーが真に求めているニーズを把握し誰にとっても容易に、迅速に、行政手続きを終えられるようなサービスの実現を目指します。
②デジタル社会に必要な共通機能の整備・普及
マイナンバーカードの普及促進を強力に進めていくことが必要不可欠です。また基幹業務システムの統一・標準化を進めるとともに、オンライン化を促進することで、どこでも同じように国民が手続等を完了できるようにします。
③包括的データ戦略
多様化と大容量化が進む中でデータの利活用を進めることが求められます。データに対する信頼を確保しつつ、データの分散管理を基本として、標準化を含む共通ルールの整備や、正確性・最新性が確保された社会の基盤となるデータベースの整備等を進めることを目指し、行政の保有するデータに関して質の高いオープンデータ化などを進めることを目標とします。
この中でも特に①では“誰一人取り残さない”といったビジョンの実現に重要といえるでしょう。ユーザー目線のシステムをつくることで、パソコンの操作が苦手な人でも直感的に操作ができるようにします。UIUXにこだわったシステムを利用することでストレスフリーな手続等が可能です。
デジタル庁の取り組みにより、行政手続きの迅速化や、行政にかかわらず中小企業の生産性や収益力の向上にも効果が期待できそうです。
上述したように国全体で“誰もが使いやすい”システムによってデジタル化を推進しようという動きが高まっています。
エイ・エヌ・エスではUIUXの観点から使いやすさにこだわった業務システムの構築を行っています。システムの導入により、効率性や生産性の向上が期待できます。操作性の良いシステムの導入を検討されている企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。