“エシカル”という言葉をご存じですか?言葉の意味を知らなくとも「エシカル消費」や「エシカルファッション」などという言葉を一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。中でもエシカル消費はSDGsの目標を達成するうえで一人一人が意識するべき概念であり、世界的にエシカルへの意識が高くなってきつつあります。とはいえ日本ではまだ浸透していないのが事実です。エシカルの概念は消費に関することだけでなくデザインをするうえでも大変重要な要素となります。今回はエシカルデザインについてお伝えします。
まず“エシカル”とは日本語に訳すと「倫理的な」「道徳的な」という意味になります。エシカルデザインは倫理的で道徳的なデザイン、つまり作り手に都合の良い利益のみを追求するのではなく、ユーザーや社会がより豊かになるようにデザインをしていこう、という考え方を指します。それではユーザーや社会を豊かにするデザインとは具体的にどのようなことでしょうか。例えばこのような経験はありませんか?
・最初からメールマガジンを購読するにチェックが入っている会員登録フォームに気づかずそのまま登録してしまっていた。
・邪魔なバナー広告を消したいが、消す場所が見つからない。またはミスタップして広告のページに飛んでしまった。
サービス提供者からしてみればメルマガの購読に登録してもらうことでほかの商品を買ってもらったり、広告で誘導することで自社の商品・サービスを見てもらうきっかけにもなるので、マーケティングの観点からみると確かにうまい手法といえます。しかし、倫理的に考えてみたらどうでしょうか。興味のないメルマガを半ば強制的に送りつけられたり、広告を消したいのに消すところが見当たらない、ということがあればあまり気持ちよくありません。自社の利益とユーザーの利益についてはうまくバランスをとる必要があります。
1.効率的であるか
2.わかりやすく操作性が良いか
3.ユーザーの時間・環境・生活に配慮しているか
効率性や操作性はUIUXの向上にかかわってくる部分でもあるため、エシカルデザインに限らず重要な概念だといえます。ここで特に重要なのは、ユーザーの時間・環境・生活に配慮したデザインになっているかどうかです。多くの競合がいればいるほど、どれだけ自社の製品・サービスがユーザーの時間を占有できるか、という部分に焦点が当てられがちですが、ユーザーの時間も有限ではないので必要以上に奪うべきではありません。またユーザーを取り巻く環境に配慮することも大切です。ユーザーにとって良いと感じるものでも周りの人にとってはどうかを十分に検討することが重要です。
心理的な側面を利用して戦略を立てることは決して悪いことではありませんが、まずはユーザーメリットを優先したデザインを心がけましょう。
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