前回は高齢者のためのデザインについてお伝えしました。高齢者の場合、文字の大きさや、はっきりとコントラストのある色使い、そして押せるところと押せないところをはっきりとわかるようにすることが特に大切です。しかしデジタルに慣れていないのはデジタル機器を使いたての子どもも同じです。最近では学校や塾でデジタル教材を使った授業が増えてきており、子どもでも迷わず使えるアプリケーションやシステムが必要不可欠になってきています。身近にデジタルに触れる機会の多い現代の子どもたちにとってどのようなデザインが「質の良い」デザインにつながるのでしょうか?
UX(ユーザーエクスペリエンス)とはユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験のことです。デジタルコンテンツを通じて子供たちが成長することができたのならば、それは高いUXを提供できたということになります。代表的なものに知育アプリがあります。たとえば、動物の名前を覚えるときアプリで遊びながら動物の名前を覚え、その経験から本物を見てみたい、もっと詳しくなりたい、とその次の体験につながるかもしれません。作る側はコンテンツに触れた経験がダイレクトに成長過程につながっていく子どもの特性を意識してデザインをしていくことが大切です。
それでは、どのようなデザインを意識することで質の高いUXを届けることができるのでしょうか。子どもの特性を踏まえながらデザインのポイントを見ていきましょう。
1.大人よりも手先が不器用
年齢にもよりますが、大人に比べて手先が器用でないことが多いです。極力難しい動きを減らし、子どもの指でも簡単に操作できるようにしましょう。例えば弱く押す場合と強く押す場合、長く押す場合と短く押す場合とで得られる結果が異なるものなどは難しいでしょう。加減がわかりづらいものをなくし、それぞれボタンを付けるなどの工夫が必要です。
2.動作へのフィードバックを求める
アプリなどを使うとき自分の動作に対して警告音が鳴ったり、赤い色で表示されるなどのフィードバックは何らかのエラーや問題が起こっていることを知らせてくれる重要な機能です。一方アプリを遊びの一環として操作する子どもはアクションに対するフィードバックを好みます。子どもを飽きさせない楽しい仕掛けが必要となります。
3.待つことが苦手
ロード時間が長いと関係ないボタンを押してしまい、設定をおかしくしてしまったり、ほかのことに興味をとられてしまうことも珍しくありません。できるだけロード時間を減らすことを心がけるべきです。
4.保護者の視点も意識する
どれだけ子どもにとって魅力的なコンテンツでも、それを購入する保護者が「使わせたくない」と感じてしまっては元も子もありません。保護者の視点を考慮しながら子どもにとっても楽しく使いやすいデザインにする必要があります。
上述したように子どもが使うシステムやアプリは単に大人が使うものを簡略化すればよいというものではなく、子どもの特性を理解したうえでデザインをする必要があります。
エイ・エヌ・エスではUIUXの観点から、ユーザー中心設計にて使いやすさ・操作性にこだわった業務システムの構築を行っています。システムやデザインについてお悩みはありませんか?ぜひお気軽にご相談ください。