デザインの見栄えや使い勝手、使用後の感情などの指標になるUIUX。毎日使うシステムやWEBサイトであればUIUXへの配慮が必要不可欠になります。特にUXに関しては単に使い心地だけでなく、それを使ったことでユーザーにどのような体験が生まれるか、をデザインするものになるので非常に重要です。しかしそんなUXもユーザーのニーズを無視することでユーザーをだます「ダークUX」になり得ます。今回はダークUXのパターンとそのようなデザインを生まないために気を付ける点についてお伝えします。
ダークUXとは、ユーザーのニーズよりもブランドに利益を優先させるデザインのことです。ユーザーのニーズを考えていないのならば、それはUXではないのでは?と思う人もいるかもしれませんが、決して間違ったUXではありません。なぜなら、ユーザー自身はだまされている感覚がなく、ダークUXだからといって体験の質を左右することがほとんどないからです。言われれば思い当たることがあっても、「これはこういうものだ」と決めつけて利用していると考えられます。
パターン1:ユーザーが意図していない方向に導くデザイン
無意識のうちにメールマガジンを購読したり、閲覧履歴からおすすめの商品を表示することで最初は意図していなかったものまで買い物かごに追加するように誘導するやり方です。メルマガが知らないうちに購読されていたといった経験はないでしょうか?通販サイトであれば、スクロールしていくと実は一番下にメルマガ購読の欄が隠されるように設置してあり、チェックを外すことができるといった仕様をよく目にします。
パターン2:クリックさせないようにするデザイン
ブランドにとって都合の悪い、退会やログアウト、アカウント削除についてのボタンやリンクを暗い色にして目につきにくくします。また、「グレーになっているボタンは押せない」と考える人間の心理を利用することでサイトの離脱を避けます。
パターン3:恐怖心を利用する
半額キャンペーン終了まであと〇時間!とバナーが出ていたため、焦って購入したにもかかわらず、期間終了後もそのまま半額で販売していた、といった経験はありませんか?このように「今買わなくては」と思わせることで意図せず誘導するやり方もあります。
1.シンプルを心がける
2.思い込みのデザインになっていないかを確認する
3.ユーザー目線のデザインに
特に思い込みのデザインになっていないかをしっかり確認することは重要です。通常ダークUXは故意に作り上げられるものですが、時には意図せず作り上げてしまうこともあります。例えば、ECサイトをデザインする際に、「ほかのサイトと同じようにメルマガ購読には先にチェックを入れておく設定にする」「退会ボタンは灰色がスタンダードだから灰色にする」など、なんとなくスタンダードだと思っていたものが実はダークUXだったということもあり得ます。ほかのサイトを模倣するだけでなく本当にこのデザインでユーザーが困らないかを改めて確認することが大切です。
ブランドの戦略的として利益につながるようなデザインすることももちろん大切ですが、長期的に見ればユーザーの信用を得ることが売り上げにつながる場合もあります。ユーザーに寄り添ったデザインを心がけましょう。
エイ・エヌ・エスではUIUXの観点からユーザー中心設計を心がけ、わかりやすさや操作性にこだわった業務システムの構築を行っています。システムやデザインについてお気軽にご相談ください。