多くのコンビニが競合する中、品ぞろえの多さや味の良さ、立地の良さなどのほかに付加価値としての「デザイン」が考えられるようになりました。特に昨年、大手コンビニチェーンのローソンでプライベートブランド(以下PB)のパッケージが一新されたことが話題となり、正解のないデザイン論争は今もネット上で繰り広げられています。今回はローソンの事例を踏まえ、UXについて改めて考えてみようと思います。
まずローソンのPBパッケージデザインの特徴を見てみましょう。
・ベースカラーはクリーム色で統一
・写真ではなくイラストで表現される商品もある
・やわらかいイメージのフォントで統一
・全体的に強い色味は使わず単調なイメージ
新しいパッケージに肯定的な人もいれば、否定的な意見を持つ人もいます。それは、単に直感的な好き嫌いにもよりますが、「何を優先するか」によると思われます。つまり、デザイン性なのか、利便性なのか、デザインに対して優先するべき部分によって、人それぞれデザインに対する受け取り方が変わってくるのです。様々な感想を見てみるとデザイン性を重視する人は、肯定的にとらえる傾向があり、利便性を重視する人は否定的にとらえる傾向がありました。「パケ買い」という言葉があるようにパッケージの見た目の良さで選ぶ若者が多い一方、視覚障害を持っていたり一目でわかりやすいかどうかに重きを置く人に対しては、もう少し「分かりやすさ」について考える必要があったと考えられます。
デザインに対して肯定的な人は「パッケージ目的で買ったけど味もおいしかった」「SNSにアップしたら多くの反応がもらえて嬉しい」「今度は違うのも買ってみようかな」などの感想を持ち、デザインがより良い体験を与えることに成功しているといえます。 しかし、利便性重視の場合はどうでしょうか。以下について考える必要がありそうです。
➀商品を購入するまでに時間がかからないか
今までのデザインであればすぐに手に取ることができたものも、新しいデザインによって一目では見分けることが難しく時間がかかる可能性があります。気軽に立ち寄ることができるコンビニだからこそ買いたいものだけすぐに手にとれることは重要だと考えられます。
②商品を間違えて購入する人はいないか
商品をイラストで表現していたり、透明の袋でないため間違って購入するケースが増える可能性も考えられます。欲しかった商品が手に入らないことは顧客満足度を下げる原因にもなりかねません。
③店員は短時間で見分けがつくか
お客様だけでなく店員への配慮も必要です。素早く見分け商品棚に陳列できることで仕事の効率化にもつながると思われます。そして店員の仕事が正確かつ迅速であれば、買う側にとってもメリットがあるでしょう。
UXは商品、サービスを買ったとき、使った時の満足度や感情、体験です。単に使いやすさだけが良いUXとも限りませんし、デザイン性についても同じことが言えます。様々なUXの形を知っておくことでより多くの人が満足できる商品・サービスの提供につながるでしょう。
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