残業抑制や生産性の向上、人材不足、また昨今では新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークをはじめとする多様な働き方への需要が高まり、これらを解決するための第一歩としてデジタル化導入への動きが加速しています。しかしながら、デジタル化の重要性や必要性を理解できていても様々な理由から多くの中小企業でデジタル化をなかなか進められない、といった現状があります。今回は、中小企業庁2021年度中小企業白書・小規模企業白書概要を元に中小企業のデジタル化推進の実態をお伝えするとともに、どのようにデジタル化を進めていけば良いのかをご紹介します。
中小企業庁は中小企業がコロナウイルスによる危機を乗り越えるための取り組みとして以下の4点を挙げています。
1.中小企業の財務基盤と感染症の影響を踏まえた経営戦略
2.事業継続力と競争力を高めるデジタル化
3.事業承継を通じた企業の成長・発展とM&Aによる経営資源の有効活用
4.消費者の意識変化と小規模事業者の底力
ここでは2のデジタル化に焦点を当ててお伝えします。
感染症流行により、中小企業のデジタル化に対する意識が高まっています。働き方改革や効率化の取り組みに加え、テレワークの推進など事業継続力の観点でデジタル化に取り組む企業が多く存在する一方、デジタル化推進に向けては、アナログな文化・価値観の定着といった組織的な課題や明確な目的・目標が定まっていないといった事業方針上の課題があるというのも実情です。
感染症流行前後のデジタル化に対する優先度の変化に関する調査結果を見てみると、流行前は優先順位が高いまたはやや高いとの回答が50%未満だったのに対し、流行後は60%以上の企業がデジタル化に意欲的とのことでした。このように意識の高まりを見せているにもかかわらず、デジタル化に踏み切れない原因としては、上述したアナログな価値観の定着が挙げられるでしょう。ほかにも資金不足やITへの知識不足も大きな原因になっていると考えられます。
乗り越えるためにはデジタル化が必要であることがわかりますが、初めてのIT導入は不安も大きいと思います。失敗しないためにはどのように進めていけば良いのでしょうか。
・部分的にIT化を導入してみる
人数を絞って試験的に導入してみることで、費用を抑え教育コストも少なく済みます。課題や改善点も考えやすくなるため全社的なIT化を進めやすくなるでしょう。
・簡単に利用・導入できるツールやシステムを選ぶ
IT化に伴い業務フローや作業内容を大きく変えることが必要不可欠ですが、一歩間違えればリスクが発生する恐れもあります。また、初めから大規模なシステムを導入してしまうと失敗時の損失が大きくなってしまうため小規模なものからチャレンジしてみましょう。
・課題改善を繰り返す
最初は慣れないことが多く、システム導入の効果を最大限に感じられなかったり、むしろシステムを使いこなせず導入以前のほうが良かったと感じることもあるでしょう。そこでITの導入をやめてしまうのではなくどうしたらIT化による効果を得られるか、生産性の向上に役立てられるかを継続的に考え、改善していく必要があります。
初めてのシステム導入は本当に効果が出るのか、失敗しないか等様々な不安がつきものです。しかし、課題改善を繰り返し、正しくシステムを活用することで効率化や生産性向上を見込めます。
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