SDGsへの取り組みが推奨されるようになり、様々な形で課題を達成しようとする企業や組織が増えてきました。その中でも欠かせないのがカーボンニュートラルの考え方です。カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを指し、地球温暖化対策に必要不可欠といえます。具体的な取り組みとして、「食品ロスを減らす」「マイバック・マイボトル持参でごみを削減」「植林・ごみ拾い等の環境活動」などが挙げられますが、実はWEBデザインもカーボンニュートラルの貢献に無関係ではありません。今回はサステナブルWEBデザインについてお伝えします。
WEBサイトは、ページ自体を読み込む際やデータ量の大きい画像の読み込み、データ通信を担うサーバーなど、あらゆる部分で大量の電力を消費するとともに、世界の二酸化炭素排出量の約3.8%を占めているといわれています。
その現状を打破するべく、WEBサイトを“ファインダビリティ”、“表示パフォーマンス”、“UXデザイン”などの観点から見直していくものをサステナブルWEBデザインと呼びます。
「Sustainable Web Design」によるとサステナブルWEBデザインは6つの柱から構成されています。
【設計】
より良いデザインは可能な限りデザインを少なくしたものである
【クライアントとプロジェクトのエトス】
設計することとしないことの選択をする
【コンテンツとマーケティング】
重要でない情報・役に立たない情報を公開することで無駄を生まない
【開発】
使用するアプリケーションは常に最新に保ち最適化する
【ホスティング】
適切な方法で適切なエネルギー源を使用して構築すれば、再生可能エネルギーへの移行に役立つ
【事業運営】
持続可能に焦点を合わせると結果としてよりよい成果(財務実績)につながる
今回はその中の「設計」に焦点を当て、具体的にどのようなことを意識してデザインをするべきなのかを見ていきましょう。
1.画像を減らし、効果的に使用する
WEBサイトにて画像がファイルサイズの大部分を占めることがほとんどです。使用する場合は目的を持ったうえで効果的に使うべきです。
2.直感的なデザインを意識する
直感的なWEBサイトであればあるほど操作に迷わず無駄な遷移をなくします。それにより二酸化炭素の排出を抑えることが可能です。
3.ページの重さの上限を定める
予めどの程度までページを重くしても大丈夫かを決めておくことで、デザイナーが画像やアニメーション、ビデオ等のサイズに注意を払うことができます。
4.カスタムフォントは極力使わない
カスタムフォントファイルはWEBページのファイルサイズを大幅に増加させる可能性があります。そのためカスタムフォントは控えめに使用し、ユーザーのデバイスにすでに存在するシステムフォントを使用するべきです。
5.サイトスピードとセキュリティを考慮したCMSの提案
CMSとは初心者でも簡単にホームページを作成・更新できるシステムのことです。CMSの採用は表示スピードが遅くなる可能性もあるため、慎重に使用しましょう。
今回は少しの工夫でカーボンニュートラルに大きく貢献できるであろうサステナブルWEBデザインについてご紹介しました。今回はWEBサイトのデザインを例にお伝えしましたが、システムについても同じことが言えます。業務システムは毎日使うからこそ、無駄なコストは減らすべきです。サステナブルデザインは環境への負荷を減らしつつ、誰にとっても分かりやすく、操作性の良いシステムの実現に役立ちます。
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