自社の基幹システムの構築・運用を外部のベンダー企業に丸投げしている現状を打破し、徐々にそのウエイトを自社のIT人材で担えるように調整することでDX時代に必要な「スピード感」「柔軟性」を獲得することが求められるようになりました。システムの構築や運用を自社内で行うことで、スピード感や柔軟性だけではなく、ノウハウを蓄積することで今後激しく変化するであろうIT市場に対し、ベンダーに頼らず最適な対応ができるようになります。今回は内製化のカギを握る“ローコード/ノーコード”についてご紹介します。
内製化を進めようにもIT人材が社内にいない場合に一から開発をするのは困難です。プログラミングの専門知識を持ち合わせていなくとも、業務部門自らが現場の業務に即したアイデアを形にする手法を“ローコード/ノーコード”といいます。
ローコードとノーコードの違いとしては、
<ローコード>
極力コードは書かず最小限のソースコードで開発を行う手法
再利用可能なAPIを活用した機能拡張により拡張性が高く大規模システムにも適用が可能
<ノーコード>
ソースコードを全く書かずに開発を行う手法
他システムとのデータ連携を必要としないシンプルなWEBサービス等の小規模な開発に適している
どちらにも共通しているのは、高度なプログラミング技術を必要とせず、ドラック&ドロップの直感的操作で開発を行える点と、視覚的なアプローチによって効率的な開発が可能な点でしょう。
1.コスト削減
専用のプラットフォームを活用することで、外注する場合に比べ、業務用アプリの初期費用を抑えることができます。削減した費用を他のシステムに再投資することで企業の体制強化にもつながります。
2.開発期間の短縮
外注の場合、システム開発を行うとなると数か月以上かかることがあります。簡単な開発であれば尚更ローコードやノーコードでの開発がおすすめといえます。カスタマイズを容易に行えることでスピーディーな開発を可能にし、さらに生産性の向上が見込めます。
3.知識が不要
プログラミングの知識がない場合でも開発ができます。業務部門が自ら開発を行える体制を作ることで外注した際に起こる認識のズレによる再開発の心配がなくなると同時に、自らが最も使いやすい形にカスタマイズすることが可能になります。
上記で3つのメリットをご紹介しましたが、やはり良い面だけではないのも事実です。専門的な知識が不要とはいえ、専用のプラットフォームを使いこなすための知識や、ローコードであれば全くコードを書かないというわけではないため、ある程度の知識はつけなくてはなりません。また、自由度については我慢する必要があります。スピード開発はできても複雑なカスタマイズはできず、100%を実現することは難しいでしょう。
ローコードやノーコードによる開発は技術者がいなくても簡単に行える反面、上述したようなデメリットも存在します。専用のプラットフォームはいくつかあるため、できることとできないことを見極めながら自社に合ったものを導入するようにしましょう。
エイ・エヌ・エスでは、UIUXの観点からユーザー中心設計にてわかりやすく操作性の良い業務システムの構築を行っています。また、内製化をお考えの企業様向けに展開する内製化支援サービスでは、開発支援をしながら技術者育成とノウハウの提供を行うことが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。