海外のデザイントレンドを参考に作ったサイトが好感を得られなかった、ということがあります。デザインの嗜好は人それぞれですが、日本と海外では国民性や気質が異なるため単なる「好み」の問題ではないことも知っておく必要があります。今回は日本と海外の国民性や性格等の要因を踏まえつつ、デザインにどのような違いがあるのかご紹介します。
デザインの感覚の違いは主に「色」「文字」「構造」が関係します。
日本と海外で最も違いが出るのが「色」です。日本では肯定的な意味で捉えられる色も海外では否定的な意味で捉えられることがあります。例えば、青は日本ではよく「冷酷」と捉えられますが、フランスでは「自由・平和」を象徴する色といわれています。また、緑は日本の場合「エコ・癒し」を表すとされていますが欧米では「未熟・不気味」という意味になります。さらに赤は日本だと「怒り」を象徴しますが中国では「幸運」を意味します。黄色であれば日本は「活発」、欧米だと「危険・臆病」の意味で使われることが多いです。
色彩感覚の違いだけを見ても、日本と海外では感覚に大きな違いがあることがわかると思います。
日本ではサイトのコンテンツにアクセントを加えようとする際にアルファベットを使うことがあります。例えば注意を促したいところに「attention」や「Information」を用いる場合などです。日本人の感覚では「ご注意ください」や「お知らせはこちら」くらいの意味合いで使っているつもりでも、海外の人からしてみれば「注意しろ!」「インフォメーションを見ろ!」というように、強い言い方に見えるようです。
日本の場合、横文字は左から右に読みます。そのため、視線誘導を考える際には重要な項目を左上に配置するのが一般的ですが、右から左に文字を書くサウジアラビアであれば右上に配置するのが好ましいでしょう。日本のサイトを見ると大体左上に企業ロゴがあり、その直線上にナビゲーションメニューがあることがほとんどかと思いますが、サウジアラビアでは右上にロゴがありその左側にナビゲーションメニューがあるといったように配置が逆になっています。
1.ユーザーとのコミュニケーション
たとえ海外のユーザーでなくとも大切にしたい重要なプロセスといえます。ユーザーが求めていることはユーザーに聞かないとわかりません。また、ユーザーの潜在ニーズを引き出すのも対話をしないことには難しいでしょう。
2.国民性への理解
もちろんコミュニケーションだけでは分からないこともあります。例えば、先ほど挙げた色に関して言えば「欧米では緑が不気味を意味する」といったものは対話の中ではなかなか知ることがありません。事前に調べておくと良いでしょう。
3.利用環境への理解
パソコンの利用率は国・地域によって異なります。特に発展途上国ではネットスピードが遅いなど環境の差があるため、必要以上の画像や動画の挿入はサイトが表示できないといった問題につながる恐れがあります。
今回は日本と海外のデザインの違いについてお伝えしました。上記でお伝えしたデザインのポイントは、海外のユーザーだけに当てはまるわけではありません。実際にコミュニケーションを取る前に事前にその企業について調べておくことは、よりよいデザイン制作のカギとなります。
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