良いデザイン作りは“疑う”ことが重要

突然ですが「クリティカルシンキング」という言葉をご存じでしょうか?これは日本語に訳すと「批判的思考」であり、本当にこれで正しいのかという視点を持って物事を見ることでより正しい論理につなげていく思考法のことを指します。より良いデザインをするためには「本当にこれでよいのか?」を自問自答し、時には前提を疑うことも必要です。今回はデザインに重要なクリティカルシンキングについてご紹介します。

クリティカルシンキングが必要な理由

昨今のビジネスパーソンにクリティカルシンキングが求められる主な理由は、急速かつ目まぐるしく変化するビジネス環境に対応する必要があるからです。「前はこの方法で上手くいったから今回も同じようにやろう」は通用しません。デザインに関しても同じで、デザイントレンドは毎年変化し続けています。そうなると、例えば3年前に成功したデザインをそのまま取り入れても成功する可能性は低いといえます。環境の変化に取り残されないようにするためには、クリティカルシンキングを用いてこれまでとは違った切り口や考え方、アイデアを取り入れていく必要があるでしょう。

クリティカルシンキングのメリット

主なメリットは3点あります。

1.物事の本質を見つけられる
デザインをする目的は課題を解決し、より良い方向へ導くことです。その目標を達成するためにはまずそもそものゴールを明確にする必要があります。本当にユーザーが望んでいることはこれでいいのかと何度も自問自答してみましょう。

2.新しい発想が生まれる
クリティカルシンキングは固定観念や思い込みにとらわれず多角的に考えることで自由な視点が生まれます。第三者の目線や発想を取り入れ、今までにない新しい発想ができるかもしれません。

3.思考の偏りに気づく力が養える
人それぞれ癖があるように思考にも癖があります。例えば今までにない「ペン」を発明してほしいと言われたとき、どのような角度から、そしていくつの角度から考えることができるでしょうか?「ペンの軸の材質を変える」「ペン以外の機能を付ける」「持ち運びが便利なように細く小さくする」これ以外にも見るべき角度は沢山あります。
例えばアイデア出しの手法の一つとして「オズボーンのチェックリスト」というものがあります。以下の項目に沿うことで様々な角度から検討することが可能です。

転用(Other uses):改変・改良によって他の用途がないか?
適合・応用(Adapt):他にこのようなものがあるか?
変更(Modify):色・形・音・匂い・意味・動きなど、新しいアングルはないか?
拡大(Magnify):大きさ・時間・頻度・高さ・長さ・強さを拡大できるか?
縮小(Minify):より小さくできるか?携帯化できるか?短くできるか?省略できるか?軽くできるか?
代用(Substitute):他の材料・他の過程・他の場所・他のアプローチ・他の声の調子・他の誰か・異なった成分など、他の何かに代用できないか?
再配置(Rearrange):要素・成分・部品・パターン・配列・レイアウト・位置・ペース・スケジュールなどを変えられないか?原因と結果を変えられないか?
逆転(Reverse):逆(正反対)にできないか?後方(前方)に移動できないか?役割を逆にできないか?ターンできないか?反対側を向けられないか?マイナスをプラスにできないか?
結合(Combine):組み合わせられないか?目的や考えを結合できないか?一単位を複数にできないか?

ユーザーニーズを最大限満たすデザインを!

固定観念や思い込みにとらわれることで、ユーザー目線をつい忘れがちになります。しかし、クリティカルシンキングを用いることで思考をフラットにし、ユーザーが本当に求めていることを引き出し、形にすることができるようになるはずです。

エイ・エヌ・エスでは、UIUXの観点からユーザー中心設計にてわかりやすく操作性の良い業務システムの構築を行っています。システムやデザインに関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。


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