ユーザーにITリテラシーを求めないUI設計を

近年は、電子決済で商品の支払いを行うなど、私たちの身近なところでもIT化が加速しているように思います。IT化は時間を省き人員を削減できるなど多くのメリットがある一方で、使い方がわからない人にとってはかえって時間がかかってしまい不便だと感じてしまうこともあるのではないでしょうか?

ITリテラシーが低い場合、向上できるように教育をすることが根本的な解決にはなりますが、全員のITリテラシーを向上させようと思ったらかなりの労力がいります。そこで、ユーザーにITリテラシーを求めるのではなく、システムの側からユーザーに寄り添っていこう、という考え方も重要になってきます。

ITリテラシーとは?

ITリテラシーとは通信やネットワーク、セキュリティなどITに関連する事柄への理解力や対応力などのことです。単純なパソコンの操作やアプリケーションの操作などもこれに該当します。ITリテラシーは以下の3つの側面から成り立っています。

情報基礎リテラシー(情報を正しく使うための能力)

具体的には「情報を探し出す能力」「情報を精査する能力」「情報を使う能力」の3つの能力を内包しています。情報基礎リテラシーを有していない場合、求める情報を探し出す力がなかったり、情報が本当に正しいかを判断することができません。近年では情報技術の普及によって「フェイクニュース」が多く作られるようになりました。正しく情報を判断できているつもりでも知らずのうちにだまされてしまうケースも多々あるため、「情報を信じすぎない」という心構えも必要です。

コンピュータリテラシー(コンピュータを操作する技術、知識)

キーボードやマウスを操作する能力は今やほとんどの企業で必須ともいえる能力です。コンピュータリテラシーの水準は企業や業務により異なりますが、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeツールを使用する能力は多くの現場で水準として設定されているようです。

ネットワークリテラシー(ネットワークやセキュリティに関する知識を理解する能力)

近年では、「インターネットの正しい使い方」や「インターネットを利用するうえでのモラル」といった意味でも用いられます。例えば、「SNSでこの発言をしたらどのような事態に発展するか」など、インターネット上のトラブルを避けるためにも一人一人が考え、理解・実行することが大切です。

わかりやすいシステム設計が手助けできるのは主にコンピュータリテラシーの部分です。操作に関する十分な知識を持ち合わせていなくとも、UIを意識した設計によってできるだけ多くの人が操作に迷うことなく利用することができます。では、ITリテラシーが低くても直感的に操作できるようにするためには、具体的にどのような設計を心がける必要があるのでしょうか。

UIのポイント

1.構造をシンプルにする
構造を複雑にするとユーザーの理解を阻害してしまう可能性があります。三層以上の多重構造は避け、二層の場合も一層目と二層目の見た目を変えることで操作に迷わないようにする工夫が必要です。

2.色を効果的に使い分ける
色は画面全体の印象を左右する重要な要素です。しかし色を使いすぎるのは禁物です。あらかじめ使う色を3色ほどに決めておいて、強調したい部分のみ目立たせる工夫が必要です。

3.選択肢を増やしすぎない
取り扱う情報や画面の数を減らすことでユーザーに選択させる手間を省くことが重要です。一見、選択肢が多いほど便利なのでは?と思いますが、選択肢が多いということはユーザーに任せる部分が多くなるということなので、操作の迷いにつながります。

4.視線誘導を意識したレイアウトにする
ユーザーが画面を見るときにどのように視線を動かすかを知っておくと、優先順位の高い情報を適切な位置に配置することができます。

“迷わない”業務システムを

IT化が進むにつれてITをうまく使いこなせない、というユーザーも増加することが予想されます。そんな時には、知識がなくても操作ができるように、システム側からアプローチをすることも大切です。

エイエヌエスではUIUXの観点から、操作に迷わない業務システムの構築を行っています。既存のシステムにお悩みはありませんか?ぜひお気軽にご相談ください。

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