ワクチン予約システムのUIを考える

とうとう日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が本格化し、現時点で総人口の約40%が二回目の接種を完了させている状況です。ワクチン接種予約は主にパソコンやスマホから行えるようになっていますが、予約開始日には予約の電話どころか、「予約方法を知りたい」などといった、問い合わせの電話が殺到したようです。当初はパソコンやスマホから「簡単に」行えるとのことでしたが、本当に簡単といえるシステムなのかUIに焦点を当てて考えてみましょう。

誰にでもわかりやすいシステムになっているか?

パソコンやスマホを使いこなせる人にとっては簡単だと思うことも、そのような機器を使い慣れていない高齢者にとっては難しく感じてしまうものです。もちろんITリテラシーが低いことも原因の一つですが、この先の未来を見据えるとシステム側がユーザーに寄り添っていく必要があるのではないでしょうか。どのような年代の人が使っても分かりやすく、直感的に操作できるシステムにしなくてはなりません。

より分かりやすいシステムにするには

以下に挙げたUI改善ポイントに沿ってワクチン予約システムのUIを考えてみましょう。

・構造をできるだけシンプルにする
・選択しやすい工夫をする
・何度も入力させない

例)自衛隊東京ワクチン接種web予約システム

・構造をできるだけシンプルにする
構造は複雑な箇所がなく自分が今どの段階にいるのかがわかりやすい。会場選択から完了まで4ステップでできることも一目で理解ができる。

・選択しやすい工夫をする
予約のトップページで生年月日を入力する欄がある。プルダウンメニューにすることで入力する手間を省けてはいるが、1901年から2021年までの選択肢があり、操作に慣れていない場合スクロールをして探すのが大変。UIの観点から手入力は極力避けたほうが良いが、この場合は生年月日を8桁で入力してもらうほうが早い可能性もある。

・何度も入力させない
トップ画面で市区町村コード、接種券番号、生年月日を入力しなくてはならないが、少しサイトを離れるとまた一から入力をし直さなくてはならない。よくあるログイン画面のように一度ログインしたらその情報を保存できるようにするなど、何度も入力しなくて済むような工夫があると良い。

以上三点について見てみましたが、ぱっと見わかりやすいシステムでも少し手間のかかる部分もありました。さらに筆者である私の経験ですが、いざ市区町村コードを入力しようとしたら接種券のどの部分に書かれているのが市区町村コードなのかが分からず、再度一番上までさかのぼって確認をしなくてはなりませんでした。入力欄の真上に設置してユーザーがすぐに確認できるようにするなどの工夫があると、ストレスフリーでより使いやすいシステムになるのではないでしょうか。

分かりやすいUIを

ワクチン接種予約システムを例に考えましたが、その他の業務システムでも同じようにわかりやすいUIを意識しなくてはなりません。パソコンの操作が苦手な高齢者でも、パソコンを覚えたての子供でも安心して利用ができるシステムのUIを考えることで直感的でより良い操作性を目指します。

エイ・エヌ・エスではUIUXの観点から使いやすいシステムの構築を行っています。デザインに関するお悩みはぜひ一度ご相談ください。

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