ヒューマンエラーとは文字通り“人間による間違い”のことです。もう少し厳密に定義をすると「すべきことをしなかった、またはすべきでないことをしたなどの人間の行為によって、意図しない結果が起こること」といえます。そしてヒューマンエラーの結果、大きな事故やトラブルにつながる場合があります。
ヒューマンエラーには大きく分類すると
「人間が意図していないのに発生するもの」
「人間が意図して行動した結果発生するもの」
の二種類があります。
前者は知識がないまま操作をしてしまうことや、勝手な思い込みで行動することが主な原因です。一方、後者は手順を知っているにもかかわらず、別の手順を踏んでみたり、手抜きをすることが主な原因とされます。
行動を起こす対象に十分な知識を持っていたとしても、できるだけ楽な方法をとるために手順を単純化することで間違いを起こす。また、知識のインプット途中に思い違いをしてしまい間違いに発展するケースは人間ならだれもが体験することでしょう。特にパソコンの操作に関して言えば、あまり知識をもっていないままなんとなくの感覚で操作している、なんて人も多いのではないかと思います。このような思い込みによる間違いを減らすためにもUIを意識した設計が重要です。システムの設計をするときは「人間は間違えるものだ」ということを常に頭に入れておくことがより良いUI実現のカギとなります。
ヒューマンエラーを防ぐためには具体的にどのようなUI設計をしていく必要があるのでしょうか?
重要な情報にはタブやスライドを使用しないようにしましょう。確かにタブをクリックすることで情報が出るようにしたほうが、見た目がコンパクトになりシンプルな印象を与えることができます。しかし、タブは意外と見当たらないこともあります。重要な情報ならばタブを使用せずにそのまま画面に表示させるデザインのほうが、ユーザーが見落とす心配もありません。
操作を誤ったときに「致命的なエラーです」といった表現を見かけたことはありませんか?このような過剰なメッセージはユーザーを必要以上に混乱させてしまう恐れもあります。エラーが出ている事実よりもどのようにすればエラーが解消できるのか、という部分に焦点を当てたデザインを心がけましょう。
システムやアプリにログインをするときに、まだ入力している最中なのに赤文字で「文字数が足りません」や「IDは存在しません」などと表示された経験はありませんか?そのようなメッセージが出ることで、ユーザーの混乱を招くこともあります。次の入力欄をクリックしたときに、一つ前の入力に対するエラーメッセージを出すなど、メッセージを出すタイミングを工夫する必要があります。
ヒューマンエラーが起こるのは人間のせいだけとは限りません。少しでもエラーを防ぐためには、「本当にこのシステムは直感的に使えるか」「この画面で操作に困らないか」など、システムのUIを吟味し、ユーザーのスキル不足をシステムの側から補う努力が大切です。
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