知りたい情報が無料で手に入るYouTube。最近では若者だけでなく50代、60代の利用も多く、現代人には欠かせないツールの一つともいえるでしょう。そんなYouTubeが今回、よりユーザー目線に重点を置いたリニューアルを行い、新しいデザインがすべてのユーザーに順次展開されていくとのことで話題になりました。変更点についての紹介に加え、UIの観点からどのような点が良いデザインといえるのか考察していきます。
YouTubeは過去に何度もデザインを変更しており、リリース当初からシンプルなデザインは一貫させつつ、時代に沿った改修を重ねているような印象があります。2017年に行われた大規模な変更では、ロゴマークの変更や画面のタップによって早送り巻き戻しができる機能など、その他多くの新機能が搭載されました。今回の変更はそこまで大規模なものではありませんが、“YouTubeの原点に立ち返るデザイン”かつ、実際にユーザーの声を取り入れた、ユーザー目線のリニューアルになっています。
YouTubeのそもそもの目的である「お気に入りのコンテンツを閲覧する」という部分によりフォーカスし「色」「形」「配置」「機能面」の4つの側面から改善されています。
動的カラーサンプリングを活用したアンビエントモードが採用されました。アンビエントモードは動画の内容に合った淡い色に画面の背景色が微妙に変化するというものです。背景というのは動画タイトル部分とバッテリー残量などが表示されているステータスバー等、動画の周りのことを指します。動画の色合いが青ければ周囲の色も青くなるなど、より動画への没入感を高められるように工夫されています。これは再生リストの背景色にも適応されていて、動画のサムネイルの色によって周りの色が変化するようになっています。アンビエントモードはWebサイト版とモバイル版の「ダークモード」で利用が可能です。
また、「ダークモード」では背景がさらに暗く改善されました。背景をさらに暗くすることで色が画面上でさらに鮮やかに見えるような工夫がされています。
いいねボタンや共有ボタンなどがアイコンボタンではなく、丸みを帯びたタイルデザインに変更されています。また、チャンネル登録ボタンもボタンのようなデザインにすることで、チャンネル登録をより促せるような工夫がされています。
プレイヤー画面の各種ボタンの配置が変わり、動画タイトルの直下に投稿者アカウント情報とチャンネル登録ボタンが配置されるようになりました。これは高評価、共有、保存の操作がなるべく視聴の邪魔にならないように配慮したものになります。
■ピンチイン/ピンチアウト
動画の全画面再生中に指で任意の箇所を拡大縮小できる機能です。指を離しても拡大、または縮小された状態は維持されます。
■Precise Seek
動画の進行バーを上にスワイプすると、サムネイルが一列に並んで表示される機能です。各シーンのサムネイルが表示されることで目当てのシーンがより探しやすくなるといったメリットがあります。
筆者もすでに新しいデザインのYouTubeを使い始めています。使ってみた感想としては違和感がほとんどありません。デザインの変更というのはYouTubeだけでなく他のサービスでも度々起こりますが、大半は「前の方が使いやすかった」となります。しかし今回のYouTubeに関しては、操作における大きな変更がなかったことも理由の一つと考えられますが、やはり実際にユーザーの声を聞いたうえでリニューアルした点が良かったのではないでしょうか。
今回は特に「色」にこだわっていて、たしかに動画の見え方が少し変わった印象です。動画への没入感はまだ特に感じられていないもののアンビエントモードで動画外にも薄く色が付くことによって動画サイズが少し大きく感じられて見やすいと思いました。また、ダークモードが以前に比べてトーンを落としたことで動画が鮮やかに見えます。
さらにボタンの配置変更は良いと感じます。例えば、チャンネル登録ボタンがチャンネルアイコンの真下ではなく隣に配置されたことによって誤操作を防ぐことにつながるでしょう。
今回はYouTubeの新しくなったデザインについて、UI面からの考察も交えてお伝えしました。どうしたら使いやすくなるか、デザイナーが持っている知識や想像だけではなく実際にユーザーに聞くことで、より使いやすくわかりやすいデザインづくりにつながります。
エイ・エヌ・エスではUIUXの観点から分かりやすさ・操作性に焦点を当てたシステム開発を行っています。開発以外にもシステム保守や再構築、デザインなどシステムのお悩みはぜひ一度お気軽にご相談ください。
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