「ユーザーフレンドリー」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
以前のコラムにてユーザービリティについてお伝えしましたが、ユーザービリティというのは「使いやすさ」「使い勝手」「可用性」「有用性」などの意味を持ち、ユーザービリティを向上させることでユーザーフレンドリーなシステム開発が実現できると考えられます。
では、ユーザーフレンドリーなシステムとはどのようなシステムのことを指すのでしょうか。今回はユーザーフレンドリーの実現に重要なポイントや、デザイン面でどういった工夫をするべきかについてお伝えします。
ユーザーフレンドリーとは製品・サービスなどがユーザーにとって使いやすいことを指します。つまりユーザーフレンドリーなシステムとは簡単に言うと「使いやすいシステム」ということになるのですが、“使いやすさ”だけではシステムが成り立ちません。
例えば、一見使いやすそうな画面であっても、業務上必要な機能が不足している場合、機能が物足りず、使わなくなってしまう可能性があります。反対に、多機能で業務に必要以上の機能を備えている場合、実際に使いたい機能がすぐに分からず、使わなくなってしまうでしょう。
これらを踏まえると、ユーザーフレンドリーなシステムには以下の3つの要素が大きなポイントとなると考えられます。
・業務で必要な機能が過不足なく実現されている
・ユーザーに対して、適切なUIが用意されている
・上記を満たすシステムの仕組みになっている
システムを使いやすくするためには、何よりもユーザー側がやりたいことを適切に行えるということが大切です。そのためには、ユーザーが業務上必要となることを正しく見極め、機能のいる・いらないを適切に判断していきましょう。もちろん、UIUXへの配慮も必要です。どこにボタンを置いたら分かりやすいか、クリックができる箇所にカーソルを当てたら色が変わるかなど、一見目立たない少しの工夫でもユーザーが直感的に操作するための大きな手掛かりとなります。必要な機能が必要なだけ搭載され、そのうえで使いやすいシステムであれば、ユーザーも安心して利用することができるでしょう。
「サイズ」「形」「色」でボタンだとわかるデザインを意識しましょう。一昔前のボタンはグラデーションや光沢のある表現が主流でしたが、昨今はフラットデザインが主流となり、文字を四角で囲んだだけのシンプルなものが多い印象です。しかし、シンプルながらもボタンらしさを出す工夫は必要なので、角を少し丸くしたり、薄く影を付けるだけでも操作感が変わってくるでしょう。
Googleは読みやすいフォントサイズの基準として16pxを推奨しています。しかし、ユーザーの年齢層によってはもう少し大きめの17px、18pxでデザインしたほうが良い場合もあります。ユーザーにとってよりストレスの少ないデザインを考える必要があります。
iPhoneやAndroid、Mac、Windowsなど多くの画面は8の倍数で作られています。余白や要素の幅を8の倍数を意識して作ることで余分な余白が生まれず違和感のないデザインになるといわれています。
PCよりも画面サイズの小さいスマホ画面の場合、PCほど繊細な動作をすることができません。タッチ領域が小さすぎたり、他要素との間隔が狭ければ誤って操作してしまう危険も高まります。そのようなことを防ぐためにもAppleのガイドラインにあるようにタッチ領域の大きさを44px×44px以上に設定するようにしましょう。
ユーザーの業務上の要求が明確になり、必要な機能が明らかになったら、UIで最も業務を追行しやすいようにシステム開発をしていきます。ここで大切なのは、ユーザーを適切に想定することです。
例えば、金融システムでネットバンキングの場合、ユーザーは事前にトレーニングを受けているわけではなく、画面を初めて利用する人が多いです。そのような場合は、初めて見ても分かりやすく使える必要がある。そして確認画面を多くするなど、操作時間がかかるようなデザインになっていても問題ないと考えられます。
一方、コールセンターのオペレーターは事前に訓練を受けているため、電話を受けながら画面を操作して最短時間で必要な入力や検索を行えることが重要です。そのため、画面は見やすく操作時間がかからないデザインが必要と考えられます。
前述したように利用するユーザーによって、使いやすく見やすい画面の尺度は異なるため、まずは対象ユーザーを具体的かつ適切に想定して、そのユーザーの立場に立って考えることが大切です。
使いづらいシステムを利用し続けることは、労働時間や社員の士気に直接的に影響します。常にユーザーを意識し、UI/UXでユーザーフレンドリーなシステム開発が理想と考えられます。
イノベーションデザインラボでは、お客様の生産性・効率性を向上させるシステムを、ユーザーの利用目的、ニーズに沿った設計志向で業務課題を解決します。まずは効果を可視化することが大切です。システムの見直し、デザインの見直しをして見てはいかがでしょうか。 IT活用・システムデザインに関するお悩みはお気軽にご相談ください 。
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