アクセシビリティとは?UI/UX向上に必要なわけ

アクセシビリティという言葉をご存じでしょうか?

この考え方は、様々な個性・特性を持った人たちが共存する世の中で大変重要な役割を果たす概念の一つといえます。2021年6月の『障害者差別解消法』改正以降、民間事業者にもアクセシビリティ対応が義務化されるようになったことで、さらに配慮が必要となりました。アクセシビリティとはどのようなものなのか、またUIUXとの関係性についてもお伝えします。

アクセシビリティとは?

アクセシビリティは「すべての人が平等に情報・サービスにアクセスできること」を目指します。ここでポイントとなるのは“すべての人”が対象になるということです。つい高齢者や障がい者など身体的にハンデのあるユーザーに限った考え方と捉えられがちですが、身体的な障がいの有無にかかわらず必要な概念と言えます。なぜなら人は誰しも様々な障がいの中で生活をしているからです。

例えば、日常生活の中で「うるさくてテレビの音が聞こえない」「暗くて本が読みづらい」「ボタンが小さすぎてうまく押せない」といった経験があるのではないでしょうか?そういった、情報を取得しづらい環境下を想定して情報へのアクセスを図ります。

アクセシビリティとユーザビリティの違い

アクセシビリティは、よくユーザビリティと混同されることがあります。どちらも「使いやすさ」に焦点を当てた言葉ですが、ユーザビリティは情報やサービスにアクセスできている状態で使いやすさやわかりやすさなどの結果の満足度を問われます。
また両者の違いとして、アクセシビリティは問題だと感じる箇所がどのユーザーも共通していることが多い一方でユーザビリティはユーザーによって評価が分かれることがあります。アクセシビリティに配慮することはユーザビリティの向上につながるため、まずはアクセシビリティを意識したデザインを心掛けましょう。

誰でも情報にアクセスができる“Webアクセシビリティ”

Webアクセシビリティとは「すべての人が平等にWebサイト上の情報のアクセスしやすい状態のこと 」を指します。Webアクセシビリティの標準は日本工業規格(JIS X 8341-3)とWeb技術の標準化を行う非営利団体W3Cによって定められています。

Webアクセシビリティ向上のための5つのポイント!

1.画像
視覚に障がいのある状況下では、画像だけ貼ってあってもどのようなものなのか理解ができません。解決策として代替えテキスト(alt属性)を設定することで、読み上げソフトが感知できどのような画像なのかが音声で伝わります。

2.色
カラーユニバーサルデザインに配慮したシステムを!でも紹介した通り色の見え方は人それぞれです。どんな人にも色の違いが伝わるように文字色:背景色=4.5:1以上のコントラストにすると良いといわれています。 コントラストのチェックツールとしておすすめなのが、Adobe社が無料で提供するAdobe Color です。特にその中のアクセシビリティツールでは背景色とテキスト色を入れるだけで視覚的にコントラストを確認することができます。

3.サイズ
Googleは本文の文字の大きさについて16pxを推奨しています。しかし、ユーザーの年齢層によっては、17px、18pxなど柔軟に対応するべきです。またwebサイトやアプリ・システムについて文字を大・中・小で拡大できる機能を付けてみるとより親切かもしれません。

4.ページ
適切なタイトルを付けることを心掛けましょう。タイトルはユーザーがそのページを訪れたとき最初に目にするものです。視覚障がいがあるユーザーのためにもできるだけ文字数は少なく伝えることが重要です。

5.リンク
デザイン性を重視した結果、リンクの下の線を消したデザインにする場合があります。しかし、誰もが平等に情報を知ることができるという点を考慮すると、下線を付けたデザインの方がアクセシビリティへの配慮につながるでしょう。

人・個性を意識したデザインを

アクセシビリティに配慮したデザインはすべての人に平等な情報・サービスを与えることを可能にします。前述したポイントに沿ったアクセシビリティへの配慮は、UIやUXの向上に大きく関係するといえるでしょう。そのため「UIUXを向上させたいけど、どこから手を付けていいか分からない…」といった場合にはまずは上記の5つのポイントを見直してみてはいかがでしょうか。

イノベーションデザインラボでは生産性・効率性を向上させるシステムを、ユーザー主体設計(User Centered design)をベースに UI(User Interface)/UX(User Experience)の技術を習得し、ユーザーの利用目的、ニーズに沿った設計志向で業務課題を解決します。
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